持病のある方の住宅ローン
2023年7月26日

”健康な人”は意外と少ない?

「現在健康ですか?」

そう聞かれた時に、現在入院中以外の方は「はい。それなりに健康だと思います」のような回答をされるのではないでしょうか。(不健康だと思う方は早めに病院に行ってください)

では、「過去3年(5年)以内はずっと健康でしたか?病院に行ったことはありませんか?」と質問を変えるとどうでしょう。
少し迷う方も増えてきたのではないでしょうか?

ご存じの方も多いかもしれませんが、住宅ローンの審査には年収などのお金に関する項目だけではなく、生命保険に入るための健康の審査も含まれます。
そして、”一般の方が考える健康”と、”生命保険に関する健康”とは少し違ってくるのです。

あくまでも”生命保険に関する健康”だけの観点から見れば、全く健康です!という方は意外と少ないというのが私の個人的な感想です。

 告知について

 告知とは

銀行等で住宅ローンを借りる際には『団体信用生命保険』という生命保険に加入が必要になることが一般的です。ここでは団体信用生命保険の説明は省略しますが、ざっくり言えばローンを借りている方が亡くなってしまったら、その後の返済は免除されますよというものです。

そして、その生命保険に加入できるかどうかには『告知』が必要になります。
これは健康状態を、保険会社に自己申告で告げるという行為であり、大変重要なものでもあります。

具体的には『告知書』と呼ばれる用紙にいくつか健康に関する質問が記載されており、その質問に”はい”か”いいえ”で回答する形で告知が進んでいきます。
全て”いいえ”であれば健康状態は問題ありません。おめでとうございます。
対して、一つでも”はい”があればその詳細を告知する必要があります。

 告知に”はい”があったらローンは組めないのか?

上記のように告知に”はい”があったからと言って、その時点でローンが組めなくなるのではなく、保険会社による査定のうえ、組めるかどうかが決まります。

告知内容について、つい嘘をついて良く見せたくなるのが人間の心ではありますが、それは絶対に許されません。事実をありのまま正確に記載することが求められます。
付け加えると、可能な限り詳細に事実を告知した方が、良い回答になる可能性は上がると思われます。保険会社も、よく状況が分からない方を引受するにはリスクがありますから。

 もし保険に加入できないと言われたら

病気によっては、保険会社から団体信用生命保険には加入できないとお断りをされることがあります。せっかく夢にまで見たマイホーム購入に水をさされるわけですから、そのショックは大きいですよね。お気持ちは痛いほどわかります。

ただ、保険に加入できないと言われたからと言ってマイホームを諦めなければいけないわけではありません。ここからは少し対策法を書いていこうと思います。

フラット35を検討する

一番はじめの審査は、どの金融機関に出しましたか?
おそらく不動産屋やハウスメーカーの営業マンに案内された銀行で出した方が多いのではないでしょうか。

もし健康状態が原因で団体信用生命保険に加入できず借入できないとなった場合、次に営業マンはフラット35を案内してくるでしょう。

フラット35という名前くらいは聞いたことがある方も多いとは思いますが、このフラット35は団体信用生命保険の加入が任意です。ということはお金の面さえOKならば健康状態がどうであれローンを組むことができるわけです。
確かにローンを組めれば家を購入できますし、不動産屋やハウスメーカーの営業も喜ぶでしょう。

ただ、万が一亡くなってもローンは残りますが、遺された家族は大丈夫ですか?
フラット35(団体信用生命保険加入なし)の選択をされる方は、この点をよく考え、亡くなっても遺族に影響が無いようにしてからローンを組むようにしてください。

そもそも、なぜダメだったのか?

視点を変えると、そもそもなぜ保険の査定が通らなかったのでしょうか。

「それは健康状態に問題があったからでしょう」と言われればそうなのですが、健康状態の何に問題があったのでしょう。

色々な問題が考えられますが、
・営業マンに言われるがまま書いたため告知内容が詳細でなかった場合
・完治していればOKだった場合
・告知の時期に問題があった場合
・審査する保険会社を変えれば通った場合
など、もしかすると状況によっては保険加入ができたかもしれません。

フラット35にも良い部分が多くありますが、銀行(団体信用生命あり)でローンを組む選択肢があれば、無駄な利息や保険料を払わなくても良いかもしれません。

営業マンに言われるがままフラット35で組むのではなく、状況を整理し銀行ローンの選択肢を広げることを最後まで諦めないでください。

健康状態は人それぞれ違いますので、当然対策もそれぞれですが、共通して言えることは対策は早ければ早いに越したことはないということです。
ローンに迷ったらご相談ください。