家計管理はコントロールできることから

はじめに

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの坂口です。
ライフプランやFP相談をお受けしているなかで、家計改善のお話になることもよくあります。

それらのご家庭では多くの場合、収入と支出のバランスが上手くいっていないことが共通の原因となっています。
このFP通信を読んでくださっている方の中にも、「ウチもそうかも…」とドキリとされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、赤字家計ではないものの、
「将来的に向けてこの貯蓄ペースで大丈夫か?」
「もっと貯めるにはどうすればよいか?」
という方もいらっしゃるかもしれません。
これらも、根幹の原因である収支バランスを調整することで不安が安心に変わることがよくあります。

そこで今回は、同じような悩みを持つ方に向けてFP通信をお送りさせていただきます。
家計改善のお悩み軽減に、少しでもお役に立てていれば幸いです。

 

家計管理の「ウルトラC」はあるのか?

まずはじめに謝らなければなりませんが、私にご相談いただいても「ウルトラC」(死語?)のように即日で家計を大復活させることは残念ながら難しいです。

家計管理はダイエットと似ているとよく思います。
・ご相談者様=ダイエットされたい方
・FP=トレーナー
としていただくとイメージがつきやすいのではないでしょうか。
トレーナーに相談したところで「すぐに激やせ」はできないのと同じく、FPに相談したからといって「楽に収支が改善できる」というわけではありません。

残念ながら家計改善は、楽で華やで即効性のあるものではないことが多く、生活習慣の改善のように“地道で地味な”ものなのです。
唯一の希望の光は、これらは一旦身になれば習慣となり、ほぼ無意識にお金が貯まる家計になれるということです。

ただ、そこに至るまではある程度“他人の目”が入った方が効果的な場合もあり、ここが我々FPの存在意義のひとつでもあるわけです。
ダイエットでお金を払い○○ザップに通うのにも似ているかもしれませんね。

FPはあくまでサポートと水先案内人であり、実際に家計を運営するのは当然にご相談者様自身ということです。

 

では、どのように家計改善をすべきなのか?

ズバリ、今回のテーマである「家計管理はコントロールできることから」が最大のポイントです。

「何がコントロールできるか」は各ご家庭ごとに違います。
ただ経験上、サラリーマン&サラリーウーマンのご家庭では、収入よりも支出の方が間違いなくコントロールしやすいです。

収入をコントロールしようとした場合、例えば専業主婦の奥様がパートを始めるなどは、確かに非常に効果的な改善手段のひとつであることは事実です。
ただ、現在専業主婦という選択をされていらっしゃるのにも何らかの理由があるのではないでしょうか?
仮に特に深い理由はなく、すぐに働きに出るという選択が出来たとしても、希望に合う勤務先とご縁があるかは分かりません。
また、小さいお子様がいらっしゃる方は預け先も見つけなければいけませんが、すぐに預けられるかどうかはコントロールが難しいです。

他のパターンとして、既に共働きの場合では、収入を上げようと思うと転職や副業などが手段になり得そうです。
ただ、もし本当にそう簡単に収入が上げられる働き方があるのならば既に実行されているのではないでしょうか?

対して、支出の削減はご自身の意思だけでコントロール可能です。
「いやいや…ウチは節約もしているし、もうこれ以上削減は難しいよ」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかにそうなのかもしれませんし、努力は決して否定されるものではありません。
ただ、ここでは収入か支出のどちらがコントロールが容易かだけにフォーカスして考えていただきたいのです。
私は、月1万円収入を増やすより、月1万円支出削減する方が簡単だと思うのですがいかがでしょうか?

少なくとも収入増加は多少なりとも他人が関与しますが、支出軽減は自分の意思のみでコントロールできるはずです。

コントロールできないことを気にしていても事態は何も好転しません。
(むしろ時間経過とともに現状の改善が難しくなり悪化する)

もし望む未来と現状とに乖離があり、その乖離がお金で解決でき、本心で改善を望むならば、まずはコントロールできることから一歩を踏み出して見た方が良いと思うのですが、いかがでしょうか。

 

支出の削減には、多くの場合痛みが伴う

収入より支出の方がコントロールしやすい点はご納得いただけたでしょうか?
もし確かにそうだなと思っていただけたた方は、ここから先を読み進めてみてください。

改善について、実際のご相談現場では、
「何ならば削減できそうか」
「どう進めていくのが負担感が少なく継続可能か」
などをご家庭ごとに一緒に考えていきますが、最終的にはご相談者様の価値観でお決めいただくと良いと思います。
そもそもお金の使い方は自由ですし、他人に決められ押し付けられるよりも自分で決めた方が納得感があるものです。

下記には改善のポイントを紹介いたします。
●赤字家計の場合
まずは、少なくとも「収入の範囲内で」生活できることを目指されると良いと思います。
※ここでは毎月の収入を指します。「毎月赤字だがボーナスで補填して年間では黒字」の家計は黄色信号です。

●貯蓄額を増やす必要がある場合
上記と似ていますが、
「毎月の支出+毎月の貯蓄額≦毎月の手取り」
になるよう調整してみてください。
毎月の貯蓄額は、目標となる貯蓄額を使いたい時期から逆算し毎月に落とし込みますが、将来必ず必要な(もしくはそうありたいと思う)お金のため、ここはコントロールできないとみなします。
(貯蓄は税金やローンのように義務に近いと考える)
つまり、ここでもやはりコントロールできるのは「毎月の支出」となります。

これらのポイントをダイエットに例えて整理すると、太る理由は「摂取カロリー > 消費カロリー」になっていることが原因です。
それを「摂取カロリー < 消費カロリー」にすることで、ダイエットはシンプルに成功に近づくというわけです。
(実際のダイエットは栄養素なども大切なのでしょうが例なのでご容赦ください)

ただ、摂取カロリーを抑えるということは、イコール、美味しいものを我慢するということです。
この我慢がツラいのは私も身をもって分かりますが、それと同じように支出を下げるのには多くの場合痛みが伴う(=覚悟が必要)ものです。

例外的に痛みが無かったり少ない支出削減もありますが、生活に関連するもの(変動費といいます)の削減はほぼ間違いなく痛みが伴います。
・これまで自由に使っていたお小遣いを減らす
・晩酌を辞めたり、外食を減らしたりする
・あまり行っていない習い事を辞める
など、どれも「美味しいものを我慢する」のと同じ状況となります。
これまでの習慣を変化させるためには、当初は残念ながらどうしても痛みを伴ってしまうことは避けられない事実なのです。

けれども、どうかご安心ください。
確かに支出削減には多少の痛みが伴うのは前述の通りですが、習慣化すれば痛みは痛みではなくなります。
その頃にはある程度自然にお金が貯まる家計に変身していますので、そうなったら貯まった額はある程度好きにお使いいただいても大丈夫になっているはずです。

 

《補足》
誤解を招く恐れがあるのでここで補足させてください。
まず、支出は悪ではありません。お金を使うのは楽しいですし無駄遣いも時には良いものです。
そもそも、お金は人生を豊かにするツールであるのに、使うべきときに使わずに節制するのは全くもって本末転倒だと思います。

家計改善は“絶食”のように極端にカロリー制限をするような過激なものではないのです。
「毎日ハイカロリーなものを食べてたら、そりゃ太るよね(短期的には幸せだけど…)」という家計を、「健康を保ちたいなら、普段は身体に良いものを食べて、ハイカロリーな食事はたまににしてみませんか」という習慣に変えるというイメージということです。

 

なんのために削減するのか?

これまで好きに使っていたお金を削減し我慢するのは、正直ツラいです。
そして、ツラいことは誰しも避けたいものだと思います。
そのため、そのツラさを乗り越えるには「なんのために」支出削減をしているのかという目的が、自分の腹に落ちている必要があります。

度々ダイエットの例で恐縮ですが、「なんとなく痩せたい」とただ闇雲に食事制限しても、いずれ欲望に負け暴飲暴食しリバウンドしてしまうのとよく似ています。
ダイエットも成功するには「なんのために」という確固たる意思が必要ですが、
・健康になりたい
・痩せて見返したい
・せっかく買った服が着れなくなってきた
・医師から減量を指示された
などが原動力になるのでしょうか。

家計改善の場合の「なんのために」は多くの場合、遠い未来で叶えたい人生や目標です。
日々の支出削減は、その未来を叶えるために逆算したコントロールできる目先の現実的な手段であり、それらは全て繋がっています。

叶えたい目的のための我慢は努力とも言い換えられると思います。
その努力をやり遂げた先には、きっと明るい未来が待っているはずだと私は信じています。

 

まとめ

散文に最後までお付き合いいただきありがとうございます。
実は、私自身も赤字家計から脱却したひとりです。
今はなんてことはない当たり前の状態ですが、削減当時の痛さは覚えていますし、そのツラさも分かるからこそ同じような思いをされている方のお役に立てればと思いこのFP通信を書きました。
(ちなみに私はダイエットは苦手です。習慣化の壁を身を持って痛感しています。)

家計の悩みは孤独で、なかなか打ち明けづらいものです。
「思ったように家計が運営できていないな」
「将来に漠然とした不安があるな」
と思われる方がいらしたら、お力になれるかもしれません。

もしお困りでしたら、いつでもご相談いただけたらと思います。

“疑似貧乏”のすすめ

はじめに

FPとしてお金のご相談をお受けしていると、
「家計が把握できていません」
「収入はあるはずなのに、なぜかお金が貯まっていないんです」
という話を聞かせていただくことがよくあります。

お金はあくまで人生を豊かにする“道具のひとつ”ですから使っていただくことは大いに結構ですが、手元にある程度の資金が無い状態や、コントロールできていない状態は心配です。

もちろん毎月の細かな家計管理(ここでは単に帳簿付けしていることではなく、予算管理をしコントロールできている状態)ができればベストです。
ただ、これまで家計管理をされてこなかった方が、いきなり一人でコントロールできるようになるのは非常に難しいのも事実です。

私も恥ずかしながらダイエットを繰り返しつつなかなか思い通りには痩せませんが、家計管理もダイエットも似たようなもので、改善するには他人の力を借りるか、強い精神で我慢するか、仕組みを作るなどするしかありません。

ここでは、この仕組みづくりについて一例を挙げてまとめてみます。

 

そもそも、「お金がない」のは仕方ない

皆様は、パーキンソンの法則という存在を聞いたことはあるでしょうか?

イギリスの学者であるパーキンソン氏が提唱した、下記の2つの法則です。
第一法則:「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
第二法則:「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」

今回はこの第二法則がポイントになるわけですが、これを日常言葉に言い換えてるするならば、
・年収が上がったら、その分生活水準も上がってしまうもの
・お金はあればあっただけ使ってしまうもの
ということになります。

私もFPという仕事をしていますが、無駄遣いはしますしお金を使うことは楽しいものです。
この法則に則るならば、冒頭の「なぜか手元にお金が残らない」のはごく自然なことであり、ご自身を責める必要など全くないというわけです。

 

“疑似貧乏”のすすめ

ただ、法則のせいとはいえ「宵越しの銭は持たない」ような江戸っ子スタイルで、あればあっただけ使ってしまっては困りものです。

とはいえ、細かな家計管理も面倒だし・・・という方は、是非“疑似貧乏”になってみてはいかがでしょうか?
パーキンソンの法則に抗うことは残念ながらほぼ不可能です。それならば、その支出の内訳を変えてみるという対策です。

具体的には、支出を「消費されるモノ」の購入に使うのではなく、
・株や投資信託の定期買付(近年なら新NISAのつみたて投資枠など)
・貯蓄性のある保険商品
・自動積立定期預金
・勤務先の財形
などで支出し、手元から一度お金を無くしてみるのです。

ここでのポイントは、
・なるべく自動的かつ一定額のもの
・心理的に抵抗感が少ないもの
・単なる浪費ではなく資産性のあるもの
がオススメです。

金融商品に頼らない場合には、引き出しづらい口座(キャッシュカードを作っておらず銀行に行かねば引き出せないなど)に積み立てで入れておくなどでも良いかもしれません。
浪費はせずとも支出はしているわけでパーキンソンの法則を満たし、自動的に残ったお金のなかでやりくり“せざるを得ない”状況(=疑似貧乏)になるわけです。
なお、本当に貧乏なっては困りますから、それぞれのご家庭の普通の生活以上~無駄遣い未満の生活資金は確保したうえで、残った分を手元から消し去ることが重要です。

 

まとめ

定番の“先取り貯金”と同様の対策になりますが、お金を貯めるならばこの王道の手法が一番楽で効果が大きいと思います。

毎月の金額設定や手段など、ご自身で決められる方はぜひチャレンジしてみてください。
ライフプランを見てから個別の家計に合った対策を相談されたい方や、ご自身では少し心配なかたはご相談いただけたらと思います。

ライフプランを作ったあと

はじめに

皆様はライフプランを作成されたことがあるでしょうか?

弊社にて一緒に作成された方や、他のFPさんと作成された方、はたまたご自身で作成されたという方まで色々いらっしゃるのではと思います。

今回の記事は、そんな方に向けて「作ったあとはどうすべきか」について書いてみました。
※まだ作成されたことがない方は、一度作成してみると人生の収支が見通せますのでおすすめです。

 

作成したあとにすべきこと

一番大切なこと

まず結論として、ライフプランで一番大切なことは「作成しっぱなし」にしないことです。

毎年チェックできれば一番良いのはもちろんですが、少なくとも数年に1度、もしくは大きな環境の変化(ご家族構成の変化や住宅購入、ご退職など)の都度見直しをされた方が良いと思います。

その理由として、ライフプランは作成時から日々当然に変化するからです。

例えば支出について、作成時よりも増えていませんか?
仮に食費やお小遣いは努力で変わっていなくとも、近年の物価高などの影響もあり、光熱費などはご自身の意思とは関係なく上昇しているのではないでしょうか。

もっと言えば、ライフプランは「その時点で無数にある未来のうち、現時点で最も可能性が高そうな方向性のひとつ」に過ぎません。
常に変化する環境に合わせて、都度メンテナンスが必要なのです。

 

メンテナンス方法について

では、どのようにメンテナンスすべきなのでしょうか?
個人的にはメンテナンスとは長期視点と短期視点に分けて考えると良いのではと思っています。

《長期視点のメンテナンス》
ライフプランそのものを修正し改善します。
メンテナンスのゴールは、現在~老後までの長い期間を“ざっくり見通す”ことです。

既に作成済のプランには当初のご相談で主要な箇所は入力済のことと思います。
そのため、当初作成時よりも
・大きく変化した箇所
・当初から想いが変わった箇所
・資産状況
などに重点を絞って、ご自身で変更し反映させます。

これならば、さほどの負担感なく長いスパンの簡易点検が可能です。
大きく赤字になるようなことがなければ、“まずまず順調”に進んでいるとの認識で良いと思います。
一方で、もし大きな変化があったり、ご自身での修正が不安な場合にはFPに依頼されても良いかもしれません。

 

《短期視点のメンテナンス》
老後は潤沢な退職金などで黒字傾向でも、現在の家計が火の車では元も子もありません。
また、どちらかと言えば長期メンテンナンスはFPの知識やソフトへの入力スキルが必要でやや難易度が高いケースもあるため、多くの方はまず短期メンテナンスから始められてはいかがでしょうか。
短期メンテナンスが上手くいっていれば、ある程度家計のコントロールができているという状態です。

短期メンテナンスには色々な点検方法がありますが、最も簡単なものをご紹介します。
それは、ある一定期間(たとえば前月の給与支払日前日~今月の給与支払日前日など)の口座残高を定点観測するだけ。
各口座を定点観測し、その口座残高合計額が前回観測時点よりも減少していなければ、少なくともその間は赤字ではないことが分かるわけです。
※赤字傾向or目標貯蓄額と大きく乖離があるならば早期に改善に着手する必要があります。

さらにもう少し詳細に検証したいという方はアプリ(zaimやマネーフォワードなど)を使うことも有効です。
アプリに連携すると口座やクレジットカードの入出金を自動で反映してくれるため、上手く使えれば非常に便利です。
※クレジットカードは使用日ベースで反映されます。個人的には支払日ベースの方が毎月の管理はしやすいと思っており、同じように思われる方はクレジットカードの連携はしない(もしくは都度支払日ベースに修正)での運用がおすすめです。

なお、ここまで検証するならば、単に入力して終わりではなく毎月の予算や目標額を作成のうえ、その予算に対して収まっているかどうかをチェックできると、より見える化もできますしご自身で家計をコントロール(今月使いすぎたから、来月調整しようかなど)することができるようになると思います。

 

そもそもライフプランは誰のものか

多くの場合、ライフプランは作成者がデータを持っています(=所有権は作成者)
一方でそのライフプランを指標に日々の人生を過ごされるのは、作成者ではなく相談された方ご自身です。

せっかく作成したライフプランを活かすには、上記のとおり定期メンテナンスが必要不可欠です。
0からプランを作るのは大変なので、ご相談の後には可能であればデータをもらってご自身でも管理してみてはいかがでしょうか。

ちなみに弊社でご相談いただいた方には追加料金などなくデータ提供しております。
また他のFPさんがどうしても紙でしかお渡しできないような状況でしたら、セカンドオピニオンも兼ねてデータ化することも可能です。
ご希望がありましたら、お気軽にご相談していただければと思います。

朗報? 令和5年10月~年収の壁の支援強化スタート!

はじめに

令和5年10月から、いわゆる”年収の壁”の支援強化パッケージがスタートします。

ニュースでも取り上げられ、なんとなく耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ここでは概要だけ分かるようにざっくりと内容をまとめたうえで、この支援がどんな方に影響があるのかを解説していきます。

 

「年収の壁・支援強化パッケージ」とは?

こちらの厚生労働省の画像が簡潔です。
なお2025年度までの暫定措置である点はご留意ください
※出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html)の画像から抜粋加工して作成

 

106万円の壁の補足

従業員101人以上などの企業(特定適用事業所といいます)の労働者のみに影響があります。
ご自身の勤務先が該当するかどうかは、こちらのページの「適用拡大の事業所」に「該当」があるかどうかで判断できますので、ご自身が該当するか良くわからないという方は一度確認されることをおすすめします。

日本年金機構の適用事業所検索システム
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho/jigyoshokensaku.html

 

130万円の壁の補足

「2年間は130万円を超えても扶養から外れない!」と喜ぶのはちょっと早いです。
この制度はあくまでも繁忙期などで”一時的に”労働時間の延ばさざるを得なかった結果130万円を超えてしまった方が対象となります。
制度適用には事業主の証明が必要になりますので、ご勤務先担当者と事前に打ち合わせをされておくと安心かと思います。


※出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html)の「年収の壁」への当面の対応策から抜粋加工して作成

 

そもそも「年収の壁」って?

税制上の壁と、社会保険上の壁の2種類となります。
詳細は調べていただければたくさん出てきますので、ここでは皆様に影響がありそうな壁のうち、いくつか代表的なものをざっくり紹介します。

世の中にはまだまだ造られた壁があるようですが、とりあえずこれだけおさえておけば良いと思います。

ちなみに国保には扶養という概念はありません。
既に世帯主が自営業の場合で、配偶者の勤務先が社保なしの場合には社会保険上の壁自体存在しないこととなります。

まとめ

このFP通信を最後まで読んでいただいた皆様の多くは、できるだけ効率的に働きたい(働いてほしい)という想いがあるのではと思います。

確かに年収の壁を意識し上手にコントロールすることで、現時点での手取り額を減らさないことができます。
一方で、現時点での手取り額を減らさないことを優先したあまり、将来必要な教育資金や老後資金が不足してしまうという可能性も否めません。

「じゃあ一体私はどれくらい働けば良いの?」とご心配に思われた方は、弊社と一緒にライフプラン作成をしてみると安心いただけるかもしれません。ご興味があればお問い合わせください。

超ざっくり!インボイス制度って何!?

はじめに

「いよいよ令和5年10月からインボイス制度が開始されます」

・・・とニュースや新聞などで報道されていますが、インボイスって結局どういうこと?という方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん詳しく調べたい方は国税HPやインターネットで検索すればいくらでも出てきますが、ここでは忙しい皆様の代わりに、”超ざっくり”と概要のみ解説いたします。

 

【超ざっくり解説】

インボイスって?

登録した事業者が一定要件を満たした「インボイス(適格請求書)」を発行することで、売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額を伝えることになります。

 

インボイス制度がはじまるとどうなる?

インボイスの交付がない取引は、“仕入税額控除”ができなくなります。

例えば2,200円の商品を販売し、お客さんから200円の消費税を受け取った商店Aさんがいたとします。
一方で商店Aさんはこの商品を作る材料などで100円の消費税を仕入先Bさんに支払っていたとしましょう。

この場合、制度開始前は200円(受け取った消費税)から100円(支払った消費税)を差し引いた100円を納税すれば良かったのです。
(この差し引けるシステムを仕入税額控除といいます)

 

実は制度開始後もこのシステムは変わりません。
ですが、この改正により
“仕入先Bさんがインボイスの登録事業者かどうか”
“商店Aさんの納税額が変わってくる”というのが今回のポイントとなります。

 

仕入税額控除について

消費税には“免税事業者”というものがあり、売上が1,000万円以下の事業は消費税を納める必要はありません。

ただ、残念ながら仕入先Bさんが”免税事業者”のままだと商店Aさんは仕入先Bさんに支払った100円の消費税を仕入税額控除することができず、なんと売上分の200円の消費税をまるまる納めなくてはならないのです・・・。

つまりBさんが免税で支払わない分、商店Aさんが肩代わりしなければいけなくなり、商店Aさんの税負担はいままでより増えてしまうというわけなのです。

 

何が問題になっているの?

商店Aさんが免税事業者の仕入先Bさんとこれまで通り取引を継続してくれれば、Bさんとしては何の問題もありません。

一方で、商店AさんはBさんと取引すると税負担が増えてしまうわけですから、
・免税事業者じゃない、新しい取引先から仕入れる(=取引の停止)
・Aさんが消費税を負担する代わりに、Bさんに値下げ要求
をすることも十分に考えられるわけで立場が悪くなってしまいます。
ですからBさんサイドの方からはインボイス反対の声が上がっているというわけです。

「じゃあBさんもインボイスを発行すれば良いじゃん?」
と思った方は非常に鋭いです!

もちろんBさんがインボイスを発行できれば商店Aさんはこれまでどおり”仕入税額控除”を使うことができます。ただ、インボイスを発行するには、事前に”インボイス発行事業者”として登録を受ける必要があり、登録を受けると売上が1,000万円以下であっても”課税事業者”として消費税の申告が必要になってしまうのです。

つまり、Bさんはこれまで”免税”されていた消費税を納めなくてはならないことということになり、
・免税事業者のままのメリットを選ぶ
or
・課税事業者になってこれまで通り円滑に取引をする
の大きな選択を迫られている、ということになります。

 

まとめ

色々な立場や考え方の事業者がいるので”これが正解!”という明確なものはないでしょう。免税事業者の立場からすると手元に残るお金が減ってしまうので面白くはない一方で、そもそも免税事業者は消費者から間接税として”預かった”消費税を納税せず益税として利益の一部としているため、それを納税することで大原則である税の公平性に沿うものになるという声が出ていることもひとつの事実です。

国としてはインボイスで税収が上がる見込みとなりますが、ぜひこの国の未来が良い方向に向かうように使っていただきたいものですね。

2023年10月 ふるさと納税の改悪!?

はじめに

2023年10月から、ふるさと納税のルールが変わることをご存知でしょうか?
以下に変更のポイントをまとめましたので、皆様のご参考になれば幸いです。

 

●変更ポイント

(1)「5割ルール」の厳格化

ふるさと納税の寄付金を地域で生かせるよう、諸費用を寄付金総額の5割以下におさえようというルール(=いわゆる5割ルール)があります。

それらの諸費用は返戻品や広告費に使われていますが、現状では領収書の発行事務費用や申請書の受付事務費用の経費は諸費用に含めなくて良いとされていました。

しかし、10月からはそれらが「募集に関する費用」として算入されることになり、返戻品等に充てられる費用が圧縮されることとなります。

🔶わたしたちへの影響
 返礼品の量が減ってしまう
 or
 同じ商品でも寄付額が高くなってしまう可能性がある!

 

(2)熟成肉・精米は同一都道府県内産のみ

お肉やお米は大変人気のある商品ですが、その中で海外から輸入したお肉を地元で「熟成」させたものを返礼品にしているケースがあります。
ふるさと納税という地場産品を返礼品としている制度からすると、これは本当に“地場産”であるかとうかという指摘の声もあったようで改定の対象となりました。

🔶わたしたちへの影響
 返礼品のラインナップが減少してしまう可能性あり

 

まとめ

ある市ではふるさと納税の返礼品でAmazonギフト券を返礼品にするなど、制度本来の目的から逸脱した、過激な納税集めをするなど問題になったことも記憶に新しいです。

今回の改定はふるさと納税という制度の目的からすると全うな改正であるとは思います。

一方で消費者からすると「同じ寄付金額ならば、より良いものをもらいたい」という方も多くいらっしゃると思います。

もしふるさと納税をされるなら、もしかすると9月末までにされた方がメリットがあるかもしれません。

住宅の予算作成をはじめる前に

住宅購入について心配になることの多くはお金のことかもしれません。

当事務所にも、
「いくらまでの家なら買えそうですか?」
「メーカーから紹介されたFPさんに言われた金額は妥当ですか?」
など、お金にまつわる相談(特に購入資金)が寄せられます。

予算組を作成するにあたって、当事務所ではライフプランを作成し今後の支払いが無理なく行えるかどうかの相談を進めるのですが、その中で支出のウエイトが大きいのが”日常生活費”です。

日常生活費把握してますか?

あなたは毎月いくら支出しているか把握していますか?

その中でも光熱費など毎月変動する支出や、年に1回程度の支出など、正確に把握されている方は少ない印象です。
逆に言えば、ここがきちんと把握できている人は住宅の予算相談が非常にスムーズになるわけです。

新しい年も始まったことですし、まずは3か月程度で良いのでご自身がどれだけ支出しているのか把握してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、今までご相談をされた方や、これからご相談希望の方には、私が作成した家計簿シート(エクセルデータ)を差し上げております。ご希望の方はお気軽にご連絡ください。

超初心者向け!携帯料金節約方法について

携帯電話の通信料について

みなさんは現在どこの通信会社利用していますか?

もし、特に大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)を使用している方で、今よりも通信料を安くしたい場合には、

格安SIM(MVNOとも言います)を検討してみてはいかがでしょうか?

節約を考えた時、通信費や保険料など毎月出ていく固定支出を見直すことで、大きなストレス無く自動的に毎月の支出を抑えることができる可能性があります。

格安SIMって?

そもそもSIM(シム)ってなんでしょうか?

SIMとは携帯電話に差して使うカードのことを言い、このカードがあることで携帯電話は通話したりインターネットをしたりすることができます。

携帯電話を携帯電話ショップで購入された場合は、気が付かないこともありますがこのカードを入れなければ電話機はただの箱です。

例えるなら、あなたのご自宅にWi-Fi環境があり、パソコンでネットをされているとすると、

パソコン本体 = 携帯電話機(iPhoneなど)

Wi-Fi = SIMカード

のようなイメージです。

じゃあ、格安SIMって?

SIMについは分かりましたか?

多くの通信業者はこのSIMの所有権を持っており、私たちユーザーはこれを借りて携帯に差し、通話やネットをしているのです。

当然のことながら、各通信会社ごとに通信料は違います。そして大手キャリアほど通信料が高価な傾向があります。

このSIMを、格安な会社のSIMに変えることで、毎月の通信料が安価になるというわけです。

格安SIMはなぜ安いの?

大手キャリアは全国各地に対面型の店舗を構えているなど人件費がかかっています。

また、通信回線を保守したり維持している為に、こちらも費用が掛かります。

格安SIMは店舗を構えていることが少なく、基本的には自分自身でインターネット手続きをして回線を開通させるため、人件費は大手キャリアよりもかかりません。

また、回線についても大手キャリアの回線の一部を借りていることも安価な要因のひとつになっています。

格安SIMと大手キャリアのメリット・デメリット

ここまで格安SIMの基本を紹介してきましたが、全てにおいて格安SIMが良いかというとそうではありません。

格安SIMのメリット

  • 通信費が安い(最大のメリットです)
  • プラン変更などを店舗に出向かず行える
  • 別の格安SIM会社への乗り換えが容易&安価なことが多い(解約金が不要なケースなど)

格安SIMのデメリット

  • 回線速度が大手キャリアに劣る場合がある。(昼間&通勤など多くの人が利用する時間帯は特に速度低下する)
  • 業務使用など、不特定多数を長電話をする場合には向かない(電話代は高くつくケースも)
  • 数多くの会社から自分自身で業者を選択し、プランを決める必要がある
  • インターネットが不得意な方は、ハードルが高い場合も

大手キャリアのメリット

  • 何かあれば店舗に行って対面でサポートを受けることができる
  • 通信プランなども提案を受けることが可能
  • 通信費が格安SIMと比較して早い&安定している
  • 通話フリープランが用意されている場合が多い

大手キャリアのデメリット

  • 店舗が混み合い、長時間待つこともある
  • 通信費が格安SIMと比べて高価である

格安SIMにすると、どれくらい安くなるの?

実際の私のお客様の例を紹介いたします。

【変更前の状況】

ご夫婦共に、大手キャリアS社を使用

●夫

約9300円/月(内、機種代割賦が約3500円)

妻⇒約9000円/月(内、機種代割賦が約2500円)

今後24カ月で合計約440,000円

【変更後】

ご夫婦共に、格安SIMのO社に変更

●夫

機種代割賦:約3500円/月(今までの機種の分割払いを継続)

通信費:1830円/月(通話+6GBの通信)

解約金:9500円/1回のみ(S社の解約金)

事務手数料:約6000円/1回のみ(S社からのMNP&O社の新規SIM発行手数料:1枚目)

●妻

機種代割賦:約2500円/月(今までの機種の分割払いを継続)

通信費:780円/月(通話+夫と容量シェア)

解約金:9500円/1回のみ(S社の解約金)

事務手数料:400円/1回のみ(新規SIM発行手数料:2枚目)

今後24カ月で合計約230,000円

【結果】

変更前 約440,000円(24か月間計)

変更後 約230,000円(24か月間計)

約210,000円(24か月間計)の節約に成功!

まとめ

格安SIMについて、簡単にまとめてみましたが如何だったでしょうか。

今まで大手キャリアを使ってきた方にとっては、もしかしたら少しとっつきにくいかもしれません。

もしご興味があれば、直接格安SIMの特徴の説明や、変更した場合のコスト差額などシミュレーションを作成することも可能です。

ご質問などがありましたら、下記のLINEよりお気軽にご連絡下さい。

クレジットカードを家計簿につけるコツとは

クレジットカードを家計簿につけるコツ

先日お金の見える化のコンサルティングをさせて頂いた大切なお客様から、

こんな質問をお受けしました。

「家計簿を書く時、クレジットカードの請求は遅れて来るので、

なかなか毎月の締めができないのですが、どうすれば良いでしょうか?」

確かにクレジットカードは1~2ヶ月後に請求がきますよね。

その請求が来た後に、過去の家計簿に戻って記録をし直して・・・。

なんてやっていると、家計簿がどんどん複雑になってしまいます。

ここでは私も実際に実践している、クレジットカードの管理の考え方をご紹介したいと思います。

クレジットカード管理のコツは「未来に生きる」こと!

過去の記録をつけようとするから複雑になるのです。

発想を転換して、未来に生きてみると良いと思います。

と、これだけでは何のことか分かりづらいので、少し解説していきます。

例をあげて解説してみます

ご存知の通り、クレジットカードの請求は1~2ヶ月遅れてきますよね?

例えば1月に10万円のパソコンをクレジットカードで買ったとします。

そうすると、パソコンはすぐに手に入り、10万円の請求は2月とか3月に口座引落しになるわけです。

みなさんもご存知の通り、

クレジットカードは、「未来の自分からの借金」です。

ということは・・・

・1月に未来の自分から借金をしてパソコンを買った

・2月か3月に未来の自分に借金を返済する約束をした

     

ということです。

このことの言い方を変えると、

「未来の支出(=借金の返済)をすることが確定した」

ととらえることもできます。

家計簿の書き方は?

この例の具体的な家計簿の書き方ですと、

1月の時点では実際に手元からお金は出ていないので家計簿を書く必要がありません。

2月や3月に未来の自分に借金を返済した時に、家計簿に10万円と書けば良いのです。

このような考え方でクレジットカードを管理することで、

「10万円の引き落としがあるから、この月は他の支出を押さえて予算を達成しよう」

などと、事前に把握・準備し、お金の調整も可能です。

考え方や家計簿のつけかた次第で、請求が遅れてくることがメリットにもなりますね。

光熱費、保険なども同様です

上記の例は10万円のパソコンを買ったとしていますが、

毎月の光熱費や保険などもクレジットカードを通すことによって

①ポイントが貯まる

②2~3カ月先の支払いが確定し、事前に準備&管理することができる

というメリットを享受することができるようになります。

まとめ

文章に書いてみたものの、ちょっとニュアンスが分かりづらいかもしれません。

もしご希望であれば個別にご説明しますので、お気軽にお問合せください。

クレジットカードは未来の支出が読めて良い点もあれば、使いすぎてしまうデメリットもあります。

まずは毎月の固定支出をクレジットカードに変更し、ポイントを貯めつつ未来の支出を管理することに慣れてみてはいかがでしょうか?

苦しい”節約”から卒業しませんか?

その節約、苦しくないですか?

家計管理=節約とお考えになる方も多いのではないでしょうか。

かくいう私も、自分自身の家計管理を始めた時は、何から始めて良いか分からず極端な節約をしていたこともあります。

「食費を削る為に毎食必ず家で食べよう!」

「甘い物も食べたいけど、ガマン我慢」

「飲み会に誘われて行きたいんだけど、今回は断ろうかなぁ」

などなど・・・。

こうして節約をしていた時期は、自分が何のために収入を得ているのか分からず、苦しい日々が続いていました。

そして現在の私はというと、日常で過度に”節約”や”我慢”をすることなく、毎月の家計の安定した黒字化に成功しています。

今回は自分自身が変わった秘訣を少し公開したいと思います。

まずは無理なく削減できるところから

日常生活費を我慢して節約すると、必ず失敗します。

ダイエットもそうですが、度を超えた我慢は長くは続けられないものです。

家計管理の王道ですが、まずは固定支出(通信費・保険料・ローン等)から見返していくことがコツになりますね。

節約は×! 価値のあるものにのみお金を”使う”!

私たちは基本的には労働をすることによって収入を得ます。

人によって収入の大小や種類は違いますが、ただ一つ全ての人間に共通することがあります。

それは、収入は”必ず”有限であるということです。

ドラえもんの四次元ポケットのように、無限にお金が出てくる装置があれば良いですが、そんなものはありませんよね(笑)

例えば「なんとなく欲しい」から新しいカバンを衝動買いしたとしましょう。

その時点で言えば少しの無駄遣いです。

「買ったけど使ってないなぁ~」と箪笥の肥やしにして終わりです。

でも少し俯瞰して見てみて下さい。

そのカバンが 本当に必要 or 本当に欲しいもの であれば、ご自分の価値に沿っているので問題ありませんが、

そうでなければ、人生の有限資産を少し食いつぶしたことになります。

何か支出をする際、ただ我慢するのではなく、

少し立ち止まって、『これは自分が本当に価値を感じるのか』と考えるクセをつければ、無駄な支出は必ず減少します。

何度も言いますが、一生で見た時の収入は有限です。大切に使わなければいけません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

少しご自分のマインドの方向性を変えるだけで、結果は大きく変わってくると思います。

『お金の見える化』では1度改善の見通しが立ったお客様がご希望されれば、継続したコンサルティングを行うこともできます。

・毎月の家計管理に自信が無い

・結局すぐ元の浪費家に戻りそう

・日常的にお金の心配をしたくない

という方は、ぜひご利用ください。

ご相談は下記のLINEからが便利です。