相見積りをすべきかどうか
2023年7月26日

住宅を建てたい!と思ったとき、まず何から始めるでしょうか?

多くの方は、まずはインターネットや雑誌で情報収集し、家の購入に夢を膨らませるのではないかと思います。
同時に、新築住宅を建てたい方は『どこで建てようか』という部分の情報も必要になってきます。

新築住宅をお願いする建築会社には
・ハウスメーカー
・ビルダー
・工務店
などの種類があり、それぞれ特徴や目指す方向性などは違うものです。

その詳細は別のFP通信で記載するとして、ここではこれらの建築会社について”相見積り”をすべきかどうかについて綴っていきたいと思います。

”相見積り”のメリットとデメリット

”相見積り”とは、2社以上の建築会社を比較することです。

身も蓋もない結論から申し上げると、ご相談者さまが納得される進め方が一番です。
ただ、私個人としては、ご相談者さまの家づくりをより納得いくものにするために、相見積りはされた方が良いのではないかというスタンスです。

以下にその理由についてメリットとデメリットとして整理していきます。

メリット

・各社から間取りの提案を受けることができ、イメージが広がりやすい
・建築会社ごとの工法や、請負に対する姿勢を比較することができる
・比較して決めるからこそ、最終の納得度合いが高い(後悔が少ない)可能性が大きい
・建築会社同士で価格競争が起こるため、1社のみで進めた場合に比べて請負金額が安価に抑えられたり、値引き幅を大きく取れる可能性がある

デメリット

・相見積りを行う建築会社が多いと、打ち合わせが大変
・比較検討を行うため時間がかかる
・建築会社への伝え方が悪いと、相見積りが逆効果になってしまうことも
・1社に絞ってくれるお客様には尽くすが、比較するなら尽くさないとヘソをまげる建築会社もまれに存在する

こんな”相見積り”には注意してください

以上のように、間取り・金額面でメリットの大きい相見積りですが、いくつかのデメリットと注意点も存在します。

ここでは私の住宅会社での経験から、あまり上手ではないなと思った相見積りについてご紹介します。

【お客様は神様パターン】
住宅営業マンや建築会社にとって、お客様は大切な存在です。
ですが中にはその立場を利用して、過剰な値引きや要求を行うお客様がいるのも事実です。

例えば、
・A社は○○をサービスでつけてくれたんだから、おたくもそれぐらいやってくれるよね?
→できることと、できないことがあります。

・A社は○○万円値引きしてくれたけど、おたくはどう?
→会社ごとに商品や利益率も違うため値引き幅では比較しづらい。そもそもその値引きも、事前に金額を上乗せした上での値引きの可能性もあるため、交渉の土台としては弱い。

など、その他にもいろいろとあるのですが、住宅営業マンもお客様と同じ人間であり、立場は同等であるということを忘れないでいただけると良いかと思います。

もしその建築会社が気に入っており、もう少し値引きをしてほしい場合には、営業マンをお客様のパートナーとして扱い、頑張ってもらうように進めていただくと良い結果につながるかと思います(ここは別の記事で書きたいと思っています)

【間取りコピーパターン】
そこで建てる気もないのに、間取りの提案欲しさに複数のメーカーに見積依頼されるパターンです。

間取りを書くのにも、建築会社は時間と人を使って作業します。
また間取りはただのお絵かきではなく、周囲や土地の状況・関連する法規などのチェックも必要なのです。

確かに多くの間取りは手に入るかもしれませんが、そのような行為をしていることを営業マンに知られると、その後警戒されてしまう可能性もあるためご注意ください。

余談ですが、住宅を設計するうえでの単位にはメートルと尺とがあり、そもそもの単位が違えば同一の間取りを実現することは難しいです。(広大な敷地があれば別ですが)

まとめ

建築会社も相見積りは慣れているケースが多く、相見積りをすることで気分を害されることは少なくはなってきています。

最低限のルールを守った上で、気に入っているメーカーを複数社比較することで、結果として良い家が建つのではないかと思います。

住宅建築について迷うようなことがあれば、いつでもご相談ください。