「子ども・子育て支援法改正案」について

はじめに

政府の「子ども・子育て支援法改正案」についてご存知でしょうか?
ここでは“ななめ読み”で分かるように多くの方に影響がありそうな部分についてまとめました。
※詳細に知りたい方は自民党HPまで

 

児童手当の拡充

ポイント

①所得制限が撤廃(現在は年収1,200万円以上は支給停止)
②高校世代まで支給延長(現在は中学生まで)
③第3子以降は一律3万円(現在は1万5千円、中学生は1万円)
④支給回数の増加(現在は年3回)

 

我が家はいくらもらえる?

分かりやすくシミュレーションできるページのリンクを貼っておきます。
イクハク

 

補足

子の人数の数え方は高校生までの該当者の数となるため、年の離れたご兄弟だと第3子以降の給付を受け取れる期間が短くなる点はご注意ください。

 

こども誰でも通園制度の創設

ポイント

保育園などの利用要件を親が就労していなくても預けることができるように緩和する、新たな制度です。
・0歳6か月~3歳未満の子どもが対象
・1人あたりの利用時間は「月10時間」
2026年度よりすべての自治体で本格実施になる見込みで、現時点では試行的な事業からスタートされる予定。
※令和6年1月17日時点で試行的事業に参加予定の自治体はこちら

 

まとめ

今回はポイントのみ簡単にまとめまてみました。
お子様のいるご家庭には概ね喜ばしい改正になる様子です。
一方で児童手当で全ての教育費を確保することはやはり難しく、教育資金を工面するためには何かしらの工夫と行動が必要であることには変わりありません。

ライフプランをすることでお金の心配が“見える化”できますので、少しでも不安がある方はご相談ください。

ざっくり分かる!最新のガン治療と民間保険

はじめに

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は(2019年データに基づく)
男性65.5%(2人に1人)
女性51.2%(2人に1人)
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」

上記のように、我々日本人にとってがんは非常に身近な病気です。
一方で、現在では治療の進歩によって多くの方ががんと向き合い、付き合いながら罹患前と同じような生活を過ごせるようになってきています。

では、もしがんになったらどのような治療をするのでしょうか?
そして、どのような保険があれば安心して治療に臨めるのでしょうか?

ここではお忙しい皆様向けに、時系列に沿って治療方法の変遷をざっくりと解説します。

 

進歩するガン治療と民間保険

ガン治療は日進月歩で進歩しています。

●従来の治療方法
かつてガン治療といえば入院と手術が基本でした。
ちなみに、この頃発売された民間保険は、これらの治療に備えるべく入院日額(入院1日あたりに受け取れるもの)や手術給付金が手厚いタイプが主流でした。

●近年の治療方法
手術に加え、“抗がん剤治療”や“放射線治療”など複数の治療を組み合わせて治療が行われるようになりました。
抗がん剤治療や放射線治療は通院で行われることも多く、普段の仕事や日常生活を継続しながら治療することで患者さんの生活の質(QOL)の向上が期待できます。併せて、通院治療の増加に伴い、入院日数が減少傾向にあるのもポイントのひとつです。

ちなみに、これらの治療は《標準治療》と呼ばれ公的医療保険の適用となります。
“標準”と聞くと、なんだか最新ではない普通の治療のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は科学的な根拠のある最新・最良の治療法なのです。
そのためガン治療を始める際には、まずは主治医の指示のもと標準治療を受けられるのが最も良い選択のひとつなのではないでしょうか。

民間保険については、従来の入院&手術タイプの保険では通院治療をカバーしきれず、そのままでは多くの自己負担がかかる可能性も捨てきれません。
つまり、治療の進歩に伴い民間保険も当然に見直しが必要だということです。
そのため現在では、
・がんと診断されただけで受け取れるタイプ
・治療ごとに毎月受け取れるタイプ
などの民間保険が主流となっています。
そもそも入院&手術の治療は医療保険でカバーできる部分も多く、ガン保険としては、長引く通院治療や収入減少をいかにカバーするかが保険設計での肝心要なポイントとなっています。

 

公的保険の適用とならない治療

《標準治療》がない場合や、《標準治療》では残念ながら完治できなかった場合でも諦める必要はありません。
この場合には、
・先進医療
・患者申出療養
・自由診療
を検討することとなりますが、それらは公的保険の適用とはならず原則として全額自己負担となります。
なお、近年ではこれらの治療でも支払い対象となる民間保険も少しずつ増えてきていますのでご安心ください。

【参考解説】
●先進医療とは?
医療機関が起点となり、厚生労働省が定める高度な医療技術を用いた治療のうち、将来的に公的保険の給付対象にすべきかを見定め評価する段階の治療をいいます(=評価療養といいます)

●患者申出療養とは?
患者さんの申出が起点となり、日本では未承認や対象外の薬などを迅速かつ身近な病院で受けられる可能性のある制度です。
(将来的に保険適用をめざすためのデータ集積ができるため、こちらも評価療養の一種です)
厚生労働省 患者申出療養制度

●自由診療
評価療養ではなく、かつ保険診療ではない治療です。入院費等も含め全額自己負担となります。

※評価療養の場合には、入院料などの一部を保険給付対象とすることができます。

 

まとめ

厚生労働省の資料によると、令和3年7月1日~令和4年6月30日(1年間)での患者申出療養の件数は296人、治療費総額は2.6億円だったそうです。
これらはほんの一握りの結果に過ぎず、中には治療したくても治療費が高額で諦めざるを得なかった患者さんも多くいるのではないでしょうか。

ガン治療にはお金が必要です。

治療費の負担や収入の減少などで、思い描いていたライププランが変わってしまうこともあるかもしれません。
民間保険への加入が全て是であるとは思いませんが、身近ながんという病気にご自身がどう向き合っていきたいか、もし良ければこの機会に少し考えてみていただければ幸いです。

ご存知ですか?“控除証明書の発行サービス”

はじめに

年末調整がはじまると、今年もこの時期が来たかと思いますね。
1年間ってこんなにもあっという間だったでしょうか・・・。

さて、年末調整がはじまるとお問い合わせが増えてくるのが「保険料控除」についてのご質問です。
その中でも多くの方が質問されるのが以下の2点です。

①保険料控除証明書が届いていない(もしくは見当たらない)が再発行できるか?

②控除証明書を電子データで発行できるか?

この2点についてご自身で簡単に解決できる【発行サービス】をご存知でしたか?

 

発行サービスについて ※損害保険に限る

実は多くの保険会社が共同システムを使用しています。

保険料控除証明書 発行サービス(外部サイト)

こちらのリンクから①再発行、②電子データのいずれも対応可能です。
再発行の場合にはお手続き日の翌日に郵便局に差し出されるので、なかなか迅速ですね。

 

生命保険については?

残念ながら業界共通のサービスというものは存在しません。
各生命保険会社ごとに【インターネットサービス】を設けていることも多く、そちらに登録いただくことでご自身で発行することも可能です。

 

まとめ

年末調整は職場ごとに締切もあり、控除証明書の再発行を希望される際はお急ぎのことも多いかと思います。
その場合、ネットではなく「人」からご加入されていらっしゃる場合には、ご担当者に連絡いただくのがおそらく一番早いです。

一方で、保険業界は離職率が高いことも事実で、当時のご担当者が不在ということも良くあり、その場合にはこの情報が少しでもお役に立てていれば幸いです。

※弊社にて保険のご契約をお預かりさせていただいてるお客様は、お困りのことがあればお気軽に直接弊社までお尋ねください。

朗報? 令和5年10月~年収の壁の支援強化スタート!

はじめに

令和5年10月から、いわゆる”年収の壁”の支援強化パッケージがスタートします。

ニュースでも取り上げられ、なんとなく耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ここでは概要だけ分かるようにざっくりと内容をまとめたうえで、この支援がどんな方に影響があるのかを解説していきます。

 

「年収の壁・支援強化パッケージ」とは?

こちらの厚生労働省の画像が簡潔です。
なお2025年度までの暫定措置である点はご留意ください
※出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html)の画像から抜粋加工して作成

 

106万円の壁の補足

従業員101人以上などの企業(特定適用事業所といいます)の労働者のみに影響があります。
ご自身の勤務先が該当するかどうかは、こちらのページの「適用拡大の事業所」に「該当」があるかどうかで判断できますので、ご自身が該当するか良くわからないという方は一度確認されることをおすすめします。

日本年金機構の適用事業所検索システム
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho/jigyoshokensaku.html

 

130万円の壁の補足

「2年間は130万円を超えても扶養から外れない!」と喜ぶのはちょっと早いです。
この制度はあくまでも繁忙期などで”一時的に”労働時間の延ばさざるを得なかった結果130万円を超えてしまった方が対象となります。
制度適用には事業主の証明が必要になりますので、ご勤務先担当者と事前に打ち合わせをされておくと安心かと思います。


※出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html)の「年収の壁」への当面の対応策から抜粋加工して作成

 

そもそも「年収の壁」って?

税制上の壁と、社会保険上の壁の2種類となります。
詳細は調べていただければたくさん出てきますので、ここでは皆様に影響がありそうな壁のうち、いくつか代表的なものをざっくり紹介します。

世の中にはまだまだ造られた壁があるようですが、とりあえずこれだけおさえておけば良いと思います。

ちなみに国保には扶養という概念はありません。
既に世帯主が自営業の場合で、配偶者の勤務先が社保なしの場合には社会保険上の壁自体存在しないこととなります。

まとめ

このFP通信を最後まで読んでいただいた皆様の多くは、できるだけ効率的に働きたい(働いてほしい)という想いがあるのではと思います。

確かに年収の壁を意識し上手にコントロールすることで、現時点での手取り額を減らさないことができます。
一方で、現時点での手取り額を減らさないことを優先したあまり、将来必要な教育資金や老後資金が不足してしまうという可能性も否めません。

「じゃあ一体私はどれくらい働けば良いの?」とご心配に思われた方は、弊社と一緒にライフプラン作成をしてみると安心いただけるかもしれません。ご興味があればお問い合わせください。

超ざっくり!インボイス制度って何!?

はじめに

「いよいよ令和5年10月からインボイス制度が開始されます」

・・・とニュースや新聞などで報道されていますが、インボイスって結局どういうこと?という方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん詳しく調べたい方は国税HPやインターネットで検索すればいくらでも出てきますが、ここでは忙しい皆様の代わりに、”超ざっくり”と概要のみ解説いたします。

 

【超ざっくり解説】

インボイスって?

登録した事業者が一定要件を満たした「インボイス(適格請求書)」を発行することで、売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額を伝えることになります。

 

インボイス制度がはじまるとどうなる?

インボイスの交付がない取引は、“仕入税額控除”ができなくなります。

例えば2,200円の商品を販売し、お客さんから200円の消費税を受け取った商店Aさんがいたとします。
一方で商店Aさんはこの商品を作る材料などで100円の消費税を仕入先Bさんに支払っていたとしましょう。

この場合、制度開始前は200円(受け取った消費税)から100円(支払った消費税)を差し引いた100円を納税すれば良かったのです。
(この差し引けるシステムを仕入税額控除といいます)

 

実は制度開始後もこのシステムは変わりません。
ですが、この改正により
“仕入先Bさんがインボイスの登録事業者かどうか”
“商店Aさんの納税額が変わってくる”というのが今回のポイントとなります。

 

仕入税額控除について

消費税には“免税事業者”というものがあり、売上が1,000万円以下の事業は消費税を納める必要はありません。

ただ、残念ながら仕入先Bさんが”免税事業者”のままだと商店Aさんは仕入先Bさんに支払った100円の消費税を仕入税額控除することができず、なんと売上分の200円の消費税をまるまる納めなくてはならないのです・・・。

つまりBさんが免税で支払わない分、商店Aさんが肩代わりしなければいけなくなり、商店Aさんの税負担はいままでより増えてしまうというわけなのです。

 

何が問題になっているの?

商店Aさんが免税事業者の仕入先Bさんとこれまで通り取引を継続してくれれば、Bさんとしては何の問題もありません。

一方で、商店AさんはBさんと取引すると税負担が増えてしまうわけですから、
・免税事業者じゃない、新しい取引先から仕入れる(=取引の停止)
・Aさんが消費税を負担する代わりに、Bさんに値下げ要求
をすることも十分に考えられるわけで立場が悪くなってしまいます。
ですからBさんサイドの方からはインボイス反対の声が上がっているというわけです。

「じゃあBさんもインボイスを発行すれば良いじゃん?」
と思った方は非常に鋭いです!

もちろんBさんがインボイスを発行できれば商店Aさんはこれまでどおり”仕入税額控除”を使うことができます。ただ、インボイスを発行するには、事前に”インボイス発行事業者”として登録を受ける必要があり、登録を受けると売上が1,000万円以下であっても”課税事業者”として消費税の申告が必要になってしまうのです。

つまり、Bさんはこれまで”免税”されていた消費税を納めなくてはならないことということになり、
・免税事業者のままのメリットを選ぶ
or
・課税事業者になってこれまで通り円滑に取引をする
の大きな選択を迫られている、ということになります。

 

まとめ

色々な立場や考え方の事業者がいるので”これが正解!”という明確なものはないでしょう。免税事業者の立場からすると手元に残るお金が減ってしまうので面白くはない一方で、そもそも免税事業者は消費者から間接税として”預かった”消費税を納税せず益税として利益の一部としているため、それを納税することで大原則である税の公平性に沿うものになるという声が出ていることもひとつの事実です。

国としてはインボイスで税収が上がる見込みとなりますが、ぜひこの国の未来が良い方向に向かうように使っていただきたいものですね。